
こんにちは、イエネコ先生です。住宅ローンのギモンを、なるべくわかりやすく解説します。
「年収から見れば、じゅうぶん返済できますよ」「少し背伸びしても、この物件なら資産価値もありますし」そんな言葉を信じて無理な住宅ローンを組んでしまい、後悔する方がいる。
予想以上にかかる教育費、まさかのボーナスカット、極めつけは金利上昇。夢に見た生活が待っているはずだったのに、心も貯蓄もどんどんすり減っていく ⸺ そんな末路は避けたいものだ。
本稿では《無理な住宅ローンを組んだ方の末路》や《35年ローンの恐ろしさ》をご紹介する。過剰に心配させるのが目的ではない。本稿を参考に、できる限りの備えや対策を実行して欲しい。
35年ローンの恐ろしさとは?無理な住宅ローンを組んだ方の末路
これから住宅ローンを借りる方や、まだ長期の返済が残っている方は、今までより慎重な判断が求められる。
長いあいだ、日本経済はデフレが続き、物価が低かった。日銀のゼロ金利政策が続いたことで、住宅ローン金利も歴史的な低水準にあった。
しかし、状況は一変した。経済がコストプッシュ型のインフレに移行し、物価上昇が始まったのだ。ゼロ金利政策が解除され、金利も上昇し始めている。

住宅ローンのリスクを正しく理解し、適切な対策を講じることがより重要になりました。
35年ローンの恐ろしさは、家計や経済がどうなるか分からないところ
35年ローンの恐ろしさは、VUCAの時代において、返済期間が長すぎる点にある。
VUCAは以下の4つの言葉の頭文字をとった造語で、「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味する。
- Volatility(変動性)
- Uncertainty(不確実性)
- Complexity(複雑性)
- Ambiguity(曖昧性)
今の延長線上で家計を考えた場合は「収入は減らない」「支出増も見込んでいる」など、将来をコントロールできている気になる。
しかし、VUCA時代はわずか5年先の未来でも予測するのが難しい。10年先の未来予測は、ほぼ当たらない。
想定外の金利上昇や収入減少、支出増加、家庭環境の変化などが起こりえる。たとえば、以下のような「まさか私が」と思っている事態に誰しも陥るリスクがあるのだ。
| 金利上昇 | 半年ごとに金利が0.25%ずつ上がり続け、返済額が苦しくなった |
|---|---|
| 病気 | ペアローンを組んだが、配偶者がメンタルを壊し休職した |
| 倒産 | 勤め先が倒産してしまったうえ、退職金を満額もらえなかった |
| 不渡り | 取引先の不渡りに巻き込まれ、自社の経営状況が悪化した |
| 被災 | 災害で住宅を損傷したので、大きな修繕が必要になった |
| 介護 | 突然、親の介護が必要になり、転職と介護費が必要になった |
| 離婚 | 離婚することになったが、オーバーローンで家が売れない |
無理な住宅ローンを組んでいると、上述の事態に直面したとき、返済に手が回らなくなるかもしれない。ひとつなら耐えられたとしても、不測の事態が重なることも往々にしてある。
とくに、夫婦ペアローンは注意が必要だ。融資上限額ギリギリまで借りてしまうと、ちょっとしたつまずきから坂を転げ落ちるように返済の遅延を起こしてしまうことがあり得る。

近年、ペアローンでないと買えない物件が増えているので、ご注意ください。
無理な住宅ローンを組んだ方が破綻した場合の末路は?
無理な住宅ローンを組んだ場合、返済が滞り、最終的に住宅ローン破綻に至る可能性がある。その末路は、非常に厳しいものとなる。
住宅ローン破綻に至るまでの流れをご紹介しよう。なお、金融機関によって対応方法や処理速度が異なるため、以下の流れはあくまで目安とお考えいただきたい。
競売の流れ
住宅ローンの返済が破綻すると、自宅を競売にかけられる。その大まかな流れをご紹介しよう。
- 1.支払遅延の連絡がある
住宅ローンの支払いが遅れると、金融機関から遅延を知らせる手紙や電話での連絡がある。
- 2.督促状が送付される
滞納が続くと、内容証明郵便で督促状が送られてくる。3か月程度滞納が続くと、個人信用情報に金融事故として記録される。
- 3.一括返済を求められる
滞納が3~6ヶ月続くと、分割返済の権利を失い、一括返済を求められる (これを「期限の利益の喪失」と言う)。
- 4.代位弁済が実行される
一括返済ができない場合は、ローン契約者の代わりに保証会社が残債を返済する。この時点から、金融機関に代わり保証会社から返還請求がおこなわれる。
- 5.自宅を差し押さえられる
自宅を担保に融資してもらった場合、自宅の差し押えの登記と、競売の申し立てがおこなわれる。自宅はそのまま住み続けられるが、勝手に売却できなくなる。
- 6.競売開始決定通知が届く
競売の申し立てが受理されると、債務者に対して競売開始決定通知が届く。裁判所の執行官や不動産鑑定士が、不動産の現況調査のため自宅を訪れる。
- 7.競売入札の開始
裁判所から、入札期間と最低落札額などが記載された通知が届く。入札期間中に、最も高額の入札額を提示した人が落札者となる。
落札者が裁判所に代金を納付すると、住宅の所有権が債務者から落札者に移る。債務者は、このタイミングで該当住宅から速やかに立ち退かなければならない。
競売代金は、競売手数料を引いたうえで、残債の支払に充てられる。ただし競売の場合は、競売価格が返済残高を下回ることが多々あり、全額返済に至らないケースが多いだろう。
全額を返済できなかった場合は、多くの場合、債務者は保証会社から一括返済を求められる。一括で返済できない場合は、弁護士に相談して債務整理を検討することになる。

債務整理を実行すると、返済義務は連帯保証人に移ります。やはり、競売にかけられないようにすることが重要です。
競売より任意売却の方が高く売れる
競売は、住宅ローン破綻を回避できず、自宅の処分が必要になった際の最終手段だ。それまでに金融機関と合意できれば、《任意売却》の道を選択できる。
任意売却とは、一般的な不動産売買と同じく、市場で住宅を売却する方法を指す。一般的に、競売より任意売却のほうが高く売れる。

退去日も、強制退去にならず、融通が利きます。
では、金融機関に任意売却の相談をするなら、いつがタイムリミットなのだろうか?
競売の入札が始まると、金融機関は任意売却を受け付けてくれない。だから、入札までに任意売却を完了させる必要がある。
住宅ローン返済の滞納から入札開始まで、おおよそ1年弱ほどだ。つまり、滞納が始まってから半年後くらいがタイムリミットということになる。

ただし、手続きや売却にかかる期間も考慮して、タイムリミットを計算する必要があります。
住宅ローンの返済期間中は、破綻まで行かずとも、家計が悪化すると精神的な重圧を受け続けることになる。
返済できなくなるのではないかという不安や、マイホームを失う恐怖がずっと付きまとう。イライラのはけ口を配偶者や子どもへ向けてしまい、自己嫌悪に陥ることもあるだろう。
それが離婚につながったり、最悪のケースでは自殺してしまったりするケースもある。そんな事態にならないために、早め早めに対策を打っておきたい。
なお、具体的な対策は後述するので、住宅ローン破綻を避けたい方はチェックして欲しい。
住宅ローンを払えない人が急増?貧乏地獄にはまり後悔する原因は?
「住宅ローンを払えない人が急増」というニュースをよく見かける。実際のところ、どうなのだろうか?⸺ じつは「急増」していない。
住宅金融支援機構(フラット35)の資料によると、近年の総債権額に対する破綻および実質破綻、または延滞した債権額の割合は年々減少し、令和に入ってからは横ばいが続いている。
とは言え、安心はできない。
先述のとおり、これからは物価や金利が上昇すると見られる。それに所得の上昇が追いつかなければ、返済がどんどん苦しくなっていくだろう。
夢に見た生活が待っているはずだったのに、気づけば貧乏地獄 ⸺ そうなる人が今の水準より増えるかもしれない。あなたは、そうならないようにご注意いただきたい。
ここからは《住宅ローンの返済が苦しくなり後悔する人》の特徴をご紹介しよう。反面教師にして欲しい。
- 無理な住宅ローンを組んだ
- 収入の減少を考慮しなかった
- 予期せぬ出費が重なることを考慮しなかった
- オーバーローン状態で離婚した
- 団信の告知でウソをついた(告知義務違反)
それぞれ、詳しく解説していこう。
無理な住宅ローンを組んだ
無理して住宅ローンを組むと、家計の負担増や破綻の原因になる。では「無理な住宅ローン」とはどんな住宅ローンなのだろうか?
たとえば、こんな借り方が「無理な住宅ローン」に該当する。
- 預貯金のない状態で住宅ローンを組む
- ペアローンで融資上限額ギリギリまで借りる
- ボーナス払いを前提としたローンを組む
- 完済年齢が定年退職年齢超えのローンを組む
- 変動金利のリスクを考慮せずにローンを組む
上述の借り方は、確実ではないものを当てにしているため、破綻するリスクを上げてしまう。
「夫婦がずっと正社員で働き続けられる」とか「必ずボーナスや退職金がもらえる」など、確実ではない予測の上に返済計画を立ててしまっているのだ。

安心感のある借り方、とは言いづらいですね。
とは言え、金融機関が審査でOKを出したのなら、大丈夫なのではないか?
たしかに、金融機関は独自の査定を経て《ちゃんと返済してもらえそうな人》にだけ融資している。裏を返せば、金融機関が承認したのであれば、完済できる可能性が高いということだ。
実際、住宅ローンの破綻率はそれほど高くない。たとえば、住宅金融支援機構の資料によると、2023年度のリスク管理債権の割合は以下のようになっている。
- 破綻および実質破綻:0.70%
- 破綻懸念:0.33%
- 3か月以上の遅延:0.27%
- 貸出条件緩和:1.73%
「破綻および実質破綻」した人は、だいたい140人に1人だ。「多い」とは言えない人数だろう。
しかし、これからますます将来の予測が困難になっていく。今の延長線上で返済計画を立てるのはリスクがある、と認識して安全寄りの計画を立てたい。

不測の事態が起こったとしても、ちゃんと返していけそうな返済額に抑えるほうが無難です。
収入の減少を考慮しなかった
収入の減少は、住宅ローンの返済負担増に直結する。長引けば、破綻の原因にもなるだろう。 実際、住宅ローン問題解決支援機構が実施した調査によれば、住宅ローンの支払いが遅れた原因の1位は「収入減 (63.0%)」だったようだ。
可処分所得が減る原因には、どんなものがあるだろうか?いくつか、あげてみよう。
- 残業規制
- ボーナスの減少やカット
- 病気やケガによる休職・失業
- リストラ
- 定年退職
- 転職
- 物価上昇
- 税金や社会保険料の増加
- 経済危機
- パンデミック
可処分所得の観点から考えると「物価上昇」や「税金や社会保険料の増加」も実質的に使える収入を減らす原因になる。
収入減少の怖いところは、多くの原因がコントロールできないところだ。繰り返しになるが、将来的な収入減少のリスクを考慮し、無理のない返済計画を立てることが大切である。
予期せぬ出費が重なることを考慮しなかった
既出の住宅ローン問題解決支援機構の調査によると、住宅ローンの支払いが遅れた原因の2位と3位は以下のようになっている。
- 2位:教育費の増大 (5.5%)
- 3位:家族の浪費 (4.8%)
この調査結果のように、借り入れ当初は想定していなかった出費により返済を阻まれる方が少なくない。
他にも、こんな出費も「絶対発生しない」とは言えないのではないか?
- 家が災害に見舞われ予定外の修繕が必要になった
- 修繕積立金が値上がりした(マンションの場合)
- 自分または家族が大病を患い医療費が急増した
- 突然親の介護とそれにともなう費用が必要になった
- 円安や世界的経済危機で食費や光熱費が高騰した
このような出費があったとしても返済が滞ることがないように、家計に余裕を持たせておきたい。
オーバーローン状態で離婚した
オーバーローン状態(自宅の売却代金だけでは住宅ローンを完済できない状態)で離婚すると、返済残高によっては住宅ローンの返済に行き詰まる場合がある。
単独名義の場合とペアローンの場合に分けて解説しよう。
単独名義の場合
離婚する際、マイホームを売却して財産分与(換価分割)するほうが手続きがシンプルだろう。とくに、住宅ローンが残っている場合は、完済と不動産の資産評価の問題を両方解決できる。
ところが、オーバーローン状態になっている場合は、話が少し複雑になる。返済残高から売却額を引いた差額を、自己資金で返済する必要があるのだ。

完済できない場合は、債権者が売却を認めてくれない可能性が高いです。
自己資金がなく、どうやっても完済できない場合は、どちらかが住み続けることになる。このパターンでは財産分与はなく、不動産の名義人が住宅を取得して返済を続けることになる。
しかし、離婚は家計の悪化を招きやすい。離婚後は夫婦が別々に生活を営むため、一緒に暮らしていたときより収入減と生活費の負担増が生じやすいのだ。
そうなると、当然住宅ローンの負担感も増す。背伸びして住宅ローンを借りていた場合は、返済に行き詰まるケースも出てくるだろう。
ペアローンの場合
ご夫婦がペアローンを利用していて、オーバーローンに陥ってしまっていると非常に厄介だ。主な選択肢としては、以下の3つが考えられる。
- 自宅の売却代金と自己資金で完済
- 住宅ローンを一本化する
- 返済を続けながら、どちらかが住み続ける
自宅の売却代金と自己資金で完済できるなら、あまり問題にならないだろう。困るのは、自己資金がなく完済できないパターンだ。

先述のとおり、売却が難しくなります。
住み続けるほうがもう一方の住宅ローンを引き継ぎ一本化できるなら、この問題は解決できそうだ。しかし、ペアローンの一本化は簡単ではなく、金融機関に応じてもらえない可能性が高い。
そうなると、返済を続けながら、どちらかが住み続けることになる。だが、この方法には以下の問題がある。
- どちらが住み続けるか、決める必要がある
- 離婚後も、元配偶者とローンのことで関わらなければならない
- 一方が滞納すると、他方が肩代わりしないといけない
また、住宅ローンは「自宅」であることを融資条件にしているケースが多い。つまり、出て行く方はこの条件に当てはまらなくなるため、金融機関の承諾が必要になる。
ペアローンを利用するなら、このような問題に直面しないように、借り方には細心の注意を払いたい。
団信の告知でウソをついた(告知義務違反)
住宅ローンは、契約者がお亡くなりになった場合に団体信用生命保険(以下、団信)で完済される仕組みになっている。ところが、団信の告知義務違反で住宅ローン破綻に陥る人がいる。
団信は、加入時に自分の健康状態の告知が必要だ。そして、お亡くなりになった際に告知内容が事実と異なっていることが判明すると、告知義務違反として契約を解除されてしまう。
つまり、住宅ローンの残債を保険金で完済できなくなるということだ。

その残債は、家を相続した人に引き継がれます。
一家の主要な稼ぎ手を失ったご家族が、以後も返済を続けていくのは並大抵のことではない。破綻するリスクが上がるだろう。
団信の告知義務違反については、以下の記事で詳しく解説している。詳しく知っておきたい方は、ご覧いただきたい。

ギリギリの生活や住宅ローン破綻を避けるための5つの対策
正直に言って、近年は安全な住宅ローンを組むのが難しい。不動産価格や建築費が上がりすぎていて、リスクを取らないと私たち一般人には買えなくなっている。
「安全な金額で借りましょう」と言ったところで、あまり現実味のある話にならない。それでもあえて、住宅ローン破綻を避けるための対策を5つご紹介させていただきたい。
- 無理のない返済計画を立て、適切な返済負担率に収める
- 再販価値(リセールバリュー)の高い物件を購入する
- できるだけ返済初期にまとっまた額を繰り上げ返済する
- 独立を避け、昇給またはステップアップ転職を目指す
- もしものときは、早めに金融機関に相談する
すべての対策を実行するのは、困難かもしれない。打てる手だけでも、打ってほしい。
それぞれの対策について、もう少し詳細に解説しよう。
無理のない返済計画を立て、適切な返済負担率に収める
住宅ローンの破綻を防ぐには、無理のない返済計画を立てることが何より大切だ。
住宅ローンは、返済負担率が25%未満なら「破綻リスクが少ない」と言われている。返済負担率が25%を超えると、デフォルト率が2倍近く上昇する傾向があるという調査報告もある。
返済負担率とは、年収に対する返済額の割合のことだ。返済額には、住宅ローンだけでなく、カーローンや学資ローンなどすべての借金を含める。

世帯年収が500万円で、年間総返済額が125万円未満なら、返済負担率が25%未満になります。
余談になるが、令6年度の国民負担率(国民所得に対する税金と社会保障負担の合計額の割合)は「45.1%」だ。
大ざっぱに言うと「ローン返済と税金と社会保障負担に収入の70%を使う」ということになる。つまり、返済負担率が25%の方は、収入の30%で生活をやり繰りしなくてはならないのだ。
たとえば世帯年収が500万円なら、150万円で食費・光熱費・被服費・通信費・医療費・交通費・教育費などのやり繰りをしなくてはならない。たしかに、余裕はなさそうだ。
とは言え、適切な返済負担率はご家庭ごとに異なる。変動金利やペアローンを利用するなら、それぞれのリスクを考慮して、20%未満に収めることも検討するべきだろう。
なお、金融機関が完済後の生活のことまで考えてくれていると思わないほうがいい。ちょっと乱暴な言い方をすると、金融機関は「完済さえしてくれればいい」のだ。
自分で老後の生活費を計算して、ちゃんと資金を残せるように、無理のない住宅ローンの返済計画を立てることが大切である。
再販価値(リセールバリュー)の高い物件を購入する
返済不能などの最悪の場合を想定して、再販価値の高い家を購入しておくと安心だ。
売却額で住宅ローンを完済できるなら、賃貸住宅に引っ越したりリースバックを利用したりして仕切り直しができる。
リーズバックとは、業者に家を売却すると同時に賃借する取引方法のことだ。詳しくは、国土交通省のガイドブックをご覧いただきたい。
一方、再販価値の低い物件はオーバーローン状態になるリスクがある。オーバーローンを免れたとしても、売却代金が少なくなるため、仕切り直しの資金が減ってしまう。
再販価値が高い物件を購入しておくことは、返済不能に対する大きなリスクヘッジになる。できる限り、再販価値も考慮して購入を進めよう。
できるだけ返済初期にまとっまた額を繰り上げ返済する
繰り上げ返済をすることには、賛否両論がある。しかし、破綻リスクに対しては一定の抑制効果があるだろう。
繰り上げ返済には、以下のふたつの種類がある。
| 期間短縮型 | 毎月の返済額はそのままで、返済期間を短くする方法。利息の軽減効果は「期間短縮型」のほうが高い。 |
|---|---|
| 返済額軽減型 | 返済期間はそのままで、毎月の返済額を減らす方法。団信の補償期間を維持できる。 |
「返済額低減型」で繰り上げ返済を実行すれば、以降、毎月の返済額を減らせる。
変動金利型で住宅ローンを借りている方は、元金が減るため、金利が上昇したときのダメージも減らせる。

このように、繰り上げ返済を活用すれば、返済が破綻するリスクを減らせます。
なお、繰り上げ返済は、実行するタイミングによって得られる効果が大きく異なる。返済の初期ほど、利息の軽減効果が大きくなる。
繰り上げ返済のメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧いただきたい。

独立を避け、昇給またはステップアップ転職を目指す
独立は夢がある。しかし、会社員に比べて収入が不安定になるリスクもある。
収入減は、住宅ローン破綻のおもな原因のひとつだ。だから、独立を考えている場合は、事業の安定性や収入の見込みを慎重に評価しなければならない。
独立後の収入を継続的に向上できる自信がない方は、返済期間中は会社員でいるほうが安心だ。たとえば、こんなプランが安全ではないだろうか。
- 副業から始めて、その収入を繰り上げ返済に充てる
- 副業中に、独立に向けて必要なスキルと人脈を取得する
- なるべく早く完済して、独立にチャレンジする
一方、転職を考える場合は、転職後の収入が増加するか、入社後も昇給し続けられるかを確認したい。両方達成できそうなら、住宅ローンの破綻リスクがグッと下がるだろう。
もしものときは、早めに金融機関に相談する
住宅ローンは、基本的には契約どおりに返済を進めなければならない。しかし、住宅ローンの返済が困難になった場合は、問題が深刻化する前に金融機関に相談することが推奨される。
「銀行に相談したら、厳しく対処されるのでは?」と思うかもしれない。しかし、近年はコロナ禍や軍事侵攻などにより経済が不安定な状況にあるため、金融庁が以下の要請を出している。
新型コロナウイルス感染症の影響が2年という長期にわたっているほか、ウクライナ情勢、原油価格の上昇等の影響も懸念されるところ、様々な事業者が大変厳しい状況に置かれております。
~中略~
14.引き続き、住宅ローンやその他の個人ローンについて、顧客の状況やニーズに応じた返済猶予等の条件変更の迅速かつ柔軟な対応を行うこと。
金融機関は、債務者が返済困難な状況に陥った場合に備えて救済措置を用意している。たとえば、以下のような対応事例がある。
- 最長1年間の元金据置等を実施(利息のみ支払う)
- まず6か月間元金を据え置き、その後対応を再検討
- つなぎ融資は、住宅完成・引渡しまで元金を据え置き
- 条件変更手数料も無料化
フラット35も、以下のような救済措置を用意している。
- 返済期間の延長
- 一時的に毎月の返済額を減額
- ボーナス払いの減額または中止
住宅ローンの返済が困難になった場合は、延滞する前に動くことが大切だ。
延滞してしまうと、金融機関からの信用を失う。延滞が続けば、一括返済を迫られる。他行への借り換えも、できなくなるだろう。

延滞の履歴があると、借り換え審査で非承認になる可能性が高まります。
早めに相談することで、状況に応じた支援を受けられる可能性が高まる。返済に不安を感じた際は、すぐに行動を起こして欲しい。
まとめ:無理な住宅ローンを組んだ方の末路とは
さいごに、本稿のおさらいをしておこう。
35年ローンの恐ろしさとは?
VUCAの時代において、返済期間が長すぎる点にある。返済中に想定外の金利上昇や収入減少、支出増加、家庭環境の変化などが起こりえる。詳しくは以下をご覧いただきたい。
無理な住宅ローンを組んだ方の末路は?
返済が滞り、最終的に住宅ローン破綻、そして競売に至る可能性がある。競売に至らずとも、夢に見た生活が崩れ、心も貯蓄もどんどんすり減っていく。詳しくは以下をご覧いただきたい。